2017年5月26日金曜日

食欲

月曜日の朝、とんでもない吐き気と頭痛で目が覚めた。熱中症かと思った。が、それは、ウィルス性の胃腸炎であった。丸1日食事が取れず、食事ができるようになっても、体調は回復しなかった。結局、私は仕事を3日休んだ。

仕事に復帰しようと支度をしていたら、なんと、今日は息子が発熱。またしても私は欠勤である。どうなっているんだ、我が家は。(ちなみに夫も月曜日、「あれ?俺、左の横腹腫れてない?」と不安になり(実際、グロテスクなほどに左だけ横腹が変形して見えた)、受診したら「なんでもないって。脂肪みたい。左だけ…… 俺、体、歪んでんだって」と言っていた。翌日、そのふくらみはほぼなくなっていた。なんなんだ。……夫、元気です。)

月曜日から昨日まで、ずっと元気がなかった私は、息子の発熱が分かるや否や、シフトチェンジ。気づけば、久しぶりに「元気」になっていた。息子にはそれが嬉しいようで、すこぶるごきげん、朝からものすごい食欲であった。念のため小児科を受診したのだが、先生に「食欲ある?」と聞かれ、「ものすごい食欲です。ずっと何か食べてます」と言ったら、「食っとかないとって体が言ってんのかな。ま、大丈夫じゃない。ほっといて。元気そうだし。でも明日も38度超えてるようだったら、来て!」と、息子の顔を見ながら、ニコニコ言った。私たち夫婦は、この先生が好きである。息子も「すき」と言う。若い頃は、ずいぶん遊んでいただろう雰囲気の、関西訛りの小児科医である。開業して30年。間もなく、新しい建物に移転するらしい。壁にベタベタよれよれ貼られた様々なキャラクター(看護婦さんが切り抜いて貼っているようだ)、小学生が書いたと思しき先生の似顔絵多数、雑雑とした本棚、窓から見える立派な白い薔薇。ここでいいと私は思うけれど、やっぱり「キレイな」建物に移転してしまうのか。壁に掛けられた開業記念の古時計をぼんやり見ていたら、診察に来たことが、来てしまったことが恥ずかしくなるくらい大きな声で「ありがとーございましたぁ!」と息子は言った。

食パン2枚、コーンフレーク、人参ジュース、ヨーグルト、小夏、おにぎり、昨日の残りの人参塩昆布ご飯、ゆで卵、オレンジジュース、デラウエア、ボーロ、ガリガリ君マンゴー味、さつまいもパン、麦茶、野菜と押麦のスープ(大盛)、ご飯、バナナ、リンゴ、イチゴ。実はこれ以上に食べ物をくれと言われているのである。食べ過ぎだよと言っても、一向に聞かず
、息子は赤い顔をして、気持ちがいいほどきれいに、よく食べる。もうないと言っても、「だいどころのあそこにある」と、私の手を引いて、実際に目当ての食料がある場所まで私を連れて行ったりした。結果、私も息子と一緒によく食べた。不思議と、胃は痛まなかった。

夕方、雨が上がった。窓から部屋に日が差すと、息子は外へ行きたいと言い出した。熱は38度に迫るくらいあったが、近所のパン屋さんまで、ゆっくり歩いて行った。外へ出れたことが嬉しいようで、すれ違う見知らぬ人々に「こんにちはー」と挨拶をして、得意げであった。「いま、あさ?」「いまは夕方だよ」「いやだ、ゆうがたっていわないでほしい。ねえ、いま、あさ?」「…朝の続きの、いま、かな」。息子は納得して、「だから、あさのパン、いま、たべていいの」と笑った。

息子の熱は下がらず、夜になると、ややクッタリしているように見えた。2時間ほど前、自ら「ねむるの」と言って、息子は布団に入った。履いていたスカートを脱いで横に入ると、熱い。数日前は、私が発熱していて、「おっぱいちゅーちゅー」と私に触れた途端、「あつい、ものすごく、あついね」と目を丸くしていた。あの時、吸取紙みたいに、私の体温を奪ったのか、君は。今日は冷たい私の腿の間に自分の足を挟ませて、息子は深い眠りの河へ漕ぎ出して行った。取り残された私は調子に乗って、ひとり、お茶を淹れ、ミックスナッツを食べてみた。ー 若干、胃が痛くなっています、いま。

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