2017年5月11日木曜日

100%勇気

職場のあるデパートの、休憩室での会話を、新聞を読むふりをして、盗み聞きしてしまう。
今日、目前に座った女性2人は、はじめ、目を合わせることもなく、会話をすることもなく、一人はiPhoneを見、もう一人はレッドブル片手にぼんやりしていた。

A:それで?どうだったんですか?
B:酔ってたから……名前は聞かれたんですけどそれは覚えてるんですけど。
A:(iPhoneの画面を見たまま)名前聞かれただけ?それだけですか。
B:……
A:ほんとに、何も食べなくて大丈夫ですかー
B:……大丈夫です……
A:で、どうするんですか?
B:どうしたら、いいと思います?
A:それは、XXさん次第でしょ。会いたいんですか?
B:会いたい。
A:なんか情報ないんですかー
B:00時には家出るって言ってましたね。住んでるとこは多分、C町で。
A:(iPhoneからようやく目を離して)え、まじ、じゃー00時から開店とかじゃないですか?00時からやるD町の古着屋って、3店舗くらいしかないでしょ、まじで。Eじゃないですよねーいやなんですけどーそこの店員だったら、困るんすけどー、まじよく行ってっから。(検索始める)
B:(負けじと検索)あー、もー、これで出てきたら嫌なんだけど!

10分くらい、2人は顔も合わせず、ほとんど情報もない、昨夜会ったという男を探し回っていたのだけれど、見つからなかったようだった(そりゃそうだよね)。すごいぞ、インターネット、そしてこわいぞ。何でも検索しようと思えば、できちゃうんだね。目の前にいる「いいと思った」人に連絡先はもちろん名前すら聞けず、翌日、大して仲良くもない同僚とその人について検索をかけるという。これが今の 普通 なのか。でも、「会いたい」と率直に言えるあたりが、ひどく懐かしかった。そして、全く目を合わせず、会話する2人が新種の野生動物のようにも見えた。

うちの息子は今、アニメ『忍たま乱太郎』に夢中である。今日の帰り道、同じクラスの2人に忍たまの良さを熱く語っていた。「ぼくはー、ドケチしゅぎょうとー、きりまるがひとじちになるのとー(2歳児の口から「人質」という単語が出るとは驚きである)、ごはんのあんかけがーはなみずだったのがおもしろいかったの」。2人は真剣に息子の話を聞いていた。2歳でも、好きなものを語る時の熱量は相手に伝わるのである。「ドケチしゅぎょう」「あんかけがはなみず」。すごいぞ、忍たま乱太郎。毎日録画したのを最低5回は見る。息子は主題歌をやたらと口ずさんでいる。名曲である。「勇気出てくる系応援ソング」は嫌いだが、25年歌い継がれているだけあって、この曲は歌っていると勇気が湧いてくるような気になる。私のようなおばさんだって。

息子と一緒に熱唱しているうち、昼間の休憩室の女の子2人を、急に思い出した。彼女らは彼女なりに、頑張っているんだろうなと思った。どうか、彼女らが、彼女らのような女の子たちが、悲しい目に遭いませんように。元気で、ぴちぴち、働いていけますように。悩んでも立ち直れますように。近くに、いい先輩がいますように。願わくば、文明の利器に頼らずに、目の前にいる人に聞きたいことが聞ける勇気が湧いてきますように。若人よ、恋くらい、正攻法でいきましょう。



「100%勇気」

がっかりして めそめそして
どうしたんだい
太陽みたいに笑う
きみはどこだい

やりたいこと やったもん勝ち
青春なら
つらいときはいつだって
そばにいるから

夢はでかくなけりゃ
つまらないだろう
胸をたたいて
冒険しよう

そうさ100%勇気 もうがんばるしかないさ
この世界中の元気 抱きしめながら

そうさ100%勇気 もうやりきるしかないさ
ぼくたちが持てる輝き 永遠に忘れないでね

ぶつかったり 傷ついたり
すればいいさ
HEARTが燃えているなら
後悔しない

じっとしてちゃ はじまらない
このときめき
きみと追いかけてゆける
風が好きだよ

昨日 飛べなかった 
空があるなら
いまあるチャンス
つかんでみよう

そうさ100%勇気 さぁ飛び込むしかないさ
まだ涙だけで終わる ときじゃないだろう

そうさ100%勇気 もうふりむいちゃいけない
ぼくたちはぼくたちらしく どこまでも駆けてゆくのさ

たとえさみしすぎる
夜が来たって
新しい朝
かならずくるさ

そうさ100%勇気 もうがんばるしかないさ
この世界中の元気 抱きしめながら

そうさ100%勇気 もうやりきるしかないさ
ぼくたちが持てる輝き 永遠に忘れないでね






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