2017年1月8日日曜日

ザッツ、ヘパーデン!

先月の中頃からだっただろうか。左手の小指に少し痛みを感じるようになった。12月27日の夕方、同じデパート内で働く顔見知りの女性と話している時、何となく小指をさすると、第一関節の薬指側がボコッと腫れていた。「これ、腫れてますよね?」と小指を横にピンと伸ばして見せると、彼女は何のためらいもなく触り「あ、腫れてますね」と真剣な表情で言った。このようになる心当たりは全くなく、何かの拍子でヒビでも入ったのか?と思っていた。

昨日の朝、息子が大荒れに荒れた。朝食あたりから予兆はあったのだが、私も夫も9時半には出勤しなければいけないので、できるだけ機嫌をとりながら準備にかかっていた。着替えさせようとして、まず、嫌がって泣いた。あまりに長引くので無理やり脱がせようとしたら、大泣き。力が強い。強すぎて、袖から腕を抜くことすらできなかった。泣いて泣いて、ひとりで留守番すると言う。世にも悲しげな夫を送り出し、私はまたしても遅刻決定。そのうち、「おっぱいちゅーちゅー」と言いながら抱きついてきて、なんと眠ってしまった。30分して目覚めると「ねむかったんです」とのこと。おいおい。お屠蘇気分かい。1区間だけバスに乗り、10時に登園。

息子の機嫌がどうにも定まらない最近は、どうしたって、出勤時間ギリギリになってしまう。一昨日は息子の体調不良(お屠蘇気分)で欠勤。なんだか、もう、ヤケ。仕方ないことだから、イラつきはない。ないのだが、もう、少々やけっぱちである。それで、どうせ遅刻ならと、整形外科へ寄ってみたのである。待合室で待っていると、映画監督の友人から珍しくメールが届いた。年末、ジャワ島に行ってきたそうで、「ジャワはすべてがデタラメでやばかった」「みんな顔がすばらしかった」とあった。ふと顔を上げると、テレビでアンパンマンが放映されていた。どういうわけか、やけっぱちの底にぐいっと圧がかかったようになった。そして、「男の子っていいなぁ」とボンヤリ思った。

私の左小指に下された診断は「ヘバーデン結節」(初期)であった。

症状:示指から小指にかけて第一関節が赤く腫れたり、曲がったりする。痛みを伴うこともある。痛みのため、強く握ることが困難になる。 
原因、病態:原因は不明。局所の所見は第一関節に発生する変形性関節症である。一般に40歳代以降の女性に多く発生。

先生は、気を使ってくださって「私の家内や母もへバーデンです」と、やんわり仰った。おかげでそれが、老化現象の一種であることを、私は察した。優しいなぁ、先生。信頼するよ。みうらじゅん氏言うところの「老いるショック!!」をポーズ付きで(勝手な)発してみたかったのだが、やめた。今のところ、私は「老い」を気にしたりはしていない。29才で白内障、34才で眼瞼下垂、の私である。白髪だって大事に伸ばしている。お客様に自分の年齢を言う時は必ず「40過ぎ」(間もなく40才と2か月だから、言ってもいいかなと思って)。
冷やさないこと、テーピングで固定すること。「こういう、100円ショップで売っているようなテープでね、いいんですよ。洗い物なんかしても気にならないでしょ、これだったら」と、私の小指に緑色のビニールテープをぐるりと巻いた。

今日、息子を迎えに保育園に行くと、息子が小指のテーピングを「これ、どうしたの?」と聞いてきた。「ヘパーデン結節!」とかっこつけて言う。「ヘパーデン!」と大仰にポーズをつけて言ってみると、私より年上であろう先生がスススッとやって来て「ヘパーデンって何ですか?」。「軟骨の問題らしいんですよ。ほら、おばあさんの指が節くれ立っているアレです。老化現象ですよ…」と笑って言うと、「……もしかして、これ?」と自らの小指を立てて見せてくださった。「あーこれ、多分そうです。私の小指もこんなです。痛いです?」「初めは痛いっていうか、痛痒いみたいな感じあったんですけど、かまわないうちに、こんな風になって……」「おー、ザッツ、ヘパーデン!」「そうか、ヘパーデン?ケッセツ?っていうんですね」。今、これを書くために、整形外科から頂いた病状説明のプリントを見てみたら、「ヘパーデン」ではなく「へバーデン」だったのだが、言いたくなるのだ、ヘパーデン。ただ言いたいがために、必要もないのに、カミングアウト、ヘパーデン。ちなみに、夫に「ヘバーデン結節だったよ」と言うと、「オリバー・ストーン監督で、スノーデンの映画がもう直ぐ公開されるよね」と返された。へバーデン。スノーデンにも似てるよね、響きがね。

風呂上がり。そっと小指に湿布を巻いていると(寝る時のみ湿布するのである)、息子がじっと見ていた。「テープ貼ってくれるかい」と聞くと、「いいよ」と言うので、テープを巻いてもらった。嬉しいなぁ。「老化」も悪いもんじゃない。

息子2才5ヶ月。お屠蘇気分じゃなく、もしかしたら現在、イヤイヤ期なのかもしれず。テープを巻いてもらった後、「イヤイヤ言っても、大好きなのには変わりないよ」と耳元で囁いたら、あっという間に眠ってしまった。2才児も大変じゃのう。同じ「アンチ」なら、アンチエイジングより、アンチエブリシングの方が潔くて、お母さんは好きだな。ーめんどくさいっちゃあ、めんどくさいけどね。

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