2016年2月7日日曜日

ワーキング・マザー

先週の月曜日、園長先生から「鼻水が多くて、ずいぶん咳がひどいようでした」と言われ(さらにその晩、咳が激しく、よく眠れなかったこともあって)翌日、小児科を受診。「気管支炎にはなっていない。RSウィルスの疑いあるね。週末にまた来ること」とのこと。「保育園は行けませんか?」「ウーン、微妙だねえ」「うつります?」「あーうつるうつる。だって、これもうつってるんだから」。というわけで、火曜日から木曜日まで、私は息子と一緒に仕事をお休みした。水曜日には、私まで具合が悪くなり、夫も巻き添え欠勤。息子は「おそと、おそとー」と靴を持ってくるほど、外で遊びたがった。帽子はこれがいい、靴は「Rちゃんと一いっしょのー」。そして、あれもこれも食べたい。どこに何があるのか、彼はもう知っている。口に運ばれてくるものだけを食べていた時は終わった。台所へ行き「ぽんかん、ちょうだい!おやつ、まだー」「よーぐる、もっとー!」。さらにDVDも見たいのである。「でんしゃー、しゅしゅぽっぽー、とうこうしゃー(投光車)」と言いながら、DVDのパッケージとリモコンを持ってくる。『ザ・緊急自動車』、『でんしゃ』のいずれかを高く掲げ、主張する。もちろん「おっぱい、あっちー(あっちの部屋でおっぱいください)」もあり。病気(熱を出したり、咳を出したり)になるたび、コミュニケーションスキルを上げている息子である。すべては、自らの欲望を叶えんとするため… 言葉って、こうやって発達するんですね… おお、素晴らしや… 人間万歳…

金曜日、再診。「先生、結局、うちの子はRSウィルスだったんでしょうか」「え?検査したっけ?」「いえ、疑いがあると…」「あー風邪だったね」 おー風邪!良かった、しかし、3日も休んだ私たちって一体… 今シフトでまる5日欠勤、2日遅刻している私である。久しぶりの保育園ということもあって、登園すると、息子は大喜び(再会を喜びあう1才児たち!イイ光景!)。「3日も仕事休んじゃったんですけど、RSじゃなくて…」「あー良かったですねー。実はひとりインフルエンザの子が出まして、お休みの間に」「ああ、そういうこともありますよね。そうか…」「でも3日休みは、なかなか… 働く身としては、つらいですよね」と先生。彼女は、息子と同じ、1才半の男の子のお母さんでもある。はしゃぎまくる1才児たちに囲まれながら、固く口を閉じ頷き合う「働く母」2人であった。

いつもは「あー働きたくないなーはははー」などと思っている私なのに、勤労意欲が増しに増し、金曜日のお昼すぎに出勤した時には、妙ちきりんなほどフル回転で働いてしまった。しかし、月は2月。いわゆる「ニッパチ(2・8)」というやつで、お客様の数は少ない。勤労意欲持て余し気味に退勤。RSウィルスかもしれないということで、土曜保育も申し込んでいなかったから、またしても昨日は欠勤である。誰に話してみても「仕方ない」と言われる。確かに「仕方ない」のではあるけれども、何だかサッパリしない気分がつきまとう。別に、夫に休んでもらってまで仕事に行きたいとは思わない。そういうことも今後あるかもしれないが、今はまだいいかなという感じである。息子のためというより、私のためである(実際、夫は時折、病欠する息子のために休んでくれることもある)。仕事があるだけでもありがたく、休んでも遅刻しても咎められることもなく、恵まれているとは思う。「大変ですね」そう言われると、私は弱々しく微笑んだり、「はぁ、まぁ」などと気の抜けた返事を返してしまう。うーん、果たしてそうなのだろうか。子を育てながら働くことの大変さ、と言ってしまうと、とっても通りはいいような感じだ。しかし、言外にはもっと違う、もっとごたごた雑雑とした低温も高温もある何かが漂っている。「マタハラ」「イクボス」「育児がしやすい職場環境とは」「子どもを持ったことでキャリア断念」だとかいう記事を読むたび、私は、どこかしらに何かしらの違和感があるのである。書かれてあることは、まぁ分かる。理想と現実も分かる。でも、何というか、「そんなに特別な、大それたことなんだろうか、この時代にこの国で子どもを育てるってことは…」と気が遠くなるというか… 

「ばすてい!ばす!でんしゃ!たい(たいやき)!」と息子が言うので、その願いを叶えるべく、歩いてバス停へ向かい、バスに乗り駅まで行き、2駅電車に乗って、たいやきを2匹買って、またバスに乗って帰ってきた。大サービスである。嬉しそうに、たいやきの入った袋を腕に掛け、時どき手を中に入れて「あたかい(あったかい)」と息子は言った。家に着くと、待ちきれない様子で椅子に座って、ちゅっちゅと吸ったり、ぱくっと食べたり(手を洗う間も「たい!たい!」と言っていた)。私がテーブルに頬杖をつきながら、あーんと口を開けると、困ったような顔をして「まだ、まだ」と首を振る。めげずに「あーん」と言ってみた。すると、苦肉の策、たいやきをそっとちぎる真似をして私の口に入れる(エアたいやき!)。あとひと口というところで、あーんと口を開いてみたら、にこっと笑って私の口に全部入れてくれた。ありがとね。ごちそうさま。

明日は公休日。本当は振替出勤しようかと上司と相談していたのだけれど(とても親身になって調整してくれたのだが)、難しそうだったのでやめて、朝からヨガ(明日が初日である)に行き、その後で髪を切ろうと思う。こうして書いてみると、プチブルみたいで、いささか恥ずかしい。が、私の胸のうちは、半ばやけっぱち、荒々しく燃えたぎっていたのである。そう、さっきまでは。正直、ここ数日、今後の働き方のことを考えると、若干暗い気持ちになっていたのだが、これを書いているうちに気持ちが整理され、元気が湧いてきた。昨日に至っては、転職サイトを開いて、あれこれ検索してみたりした私である。無駄な抵抗。身の程知らず。思い上がるのもいい加減にしろ。なるほど、そういうことなのである。甘えるところには甘えて、働ける時にしっかり働くしかない。兎にも角にも、外で働いていようがいまいが、おっかさんは大変だということ。たくましくなるしかない、そういう日々であります。
これを書きながら、映画『ワーキングガール』を思い出した。私は12才の時、あの映画から「どんな下世話な週刊誌にも三面記事にも、重要な情報が掲載されている場合がある、バカにしてはならない」ということを学んだのである。メラニー・グリフィス演じるテスばりに、また、明るく頑張って働こうと思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿