2016年2月25日木曜日

決断

今朝も息子にヨーグルトに混ぜたタミフルを服用させた。ごきげん。しかし、ヨーグルトを食べ終わる頃、雲行きが怪しくなってきた。「みかん、ちょーだい」と台所を指差す息子に「みかんはもうないよ。季節が終わって、もうおうちにはないよ」そう告げるやいなや、大泣き。「みかん!」「みかん!たべたいー!!」この繰り返し。果物かごを見せ、ないことを示しても、冷蔵庫の中を見せても、他の果物をすすめても、おっぱいを見せても、背中をさすっても、とうちゃんが抱っこしてお外を見せようとしても、車に乗ろうと言ってみても、だめ。固く目をつぶり、激しくイヤイヤをしながら、大泣き。体の中に、暴れ回るどよどよした黒い虫がいるような泣き方である。自分では制御不可能のような。おかしい。これは、どう考えても薬のせいだ。今更だけど、さすがに不安になってきた。

「お薬を服用中でも以下のような症状がありましたら医療機関を受診してください」リストの中の「興奮状態がみられる」「いつもとは様子が明らかに違う」にバッチリ当てはまる。迷わず小児科に電話した。今日で服薬4日目であること。朝に飲んだ後、必ず荒れて、それが1時間半近く続くこと。いつもと明らかに泣き方が違う(何をしても治らない)。発熱は全くしていないことを冷静に説明。その間も後ろでは、「みかん、たべたいー!!!ぎゃー!!!」が続いている。「あ、今、後ろで泣いているの、そうですよね」。いつもの先生ではなかったけれど、「大事をとって、薬はやめにしましょう」と言われた。「明日の午前に再診する予定になっていますので、診察していただいた上で、改めてご相談します」と、私は電話を切った。

暴れる息子に靴下を履かせ、ジャンパーで包み、自分は上着も着ず、パーカーの下では下着もずれたまま(おっぱいを見せていたから)、髪はぼうぼう、顔も洗わず歯も磨かない状態で、家用の眼鏡をかけて(息子の指紋だらけ)車に乗り込んだ。近所のスーパーでみかんを買うためである。車に乗ると、息子は少し落ち着いて(というより、放心状態)、ぼんやり流れる景色を眺めていた。夫がみかんを選んでいるのを駐車場から見ていたら、我に返ったようになり、「とうちゃん… みかん!」と言った。夫が会計を済ませて店から出てくると、「とうちゃん」ではなく、「みかん!」と呼んでいた。みかん。そんなにも、みかん。いつの間にそこまで好きになった、みかん。ちなみに息子は、みかんは八朔でもぽんかんでも伊予柑でもいいらしい。夫は、青島みかんを1袋ぶらさげて車へ戻ってきた。夫よ、出勤前に、ありがとう。家に帰り、玄関を開けながら、息子に「元気出た?」と何気なく声をかけたら、「げんき、でた」と呟く息子であった。

(タミフルが怖い薬だと言いたいわけでは決してない。ただ、薬に関しては(関しても、でしょうか)、ちゃんと勉強して、メリットデメリットを理解した上で、専門家(先生)の説明を聞き、決めなくてはと改めて思った。おっかさんは賢くならないと、一家の死活問題に関わることもあるということを、最近になりようやく感じ始めている私である。私はばかだし、浅はかだから、世の中のスピードについていくのがやっとです…トホホ…)

薬を中断したことで、安心したのと、「実は、飲ませなくてもよかったんじゃないか?」が、一日中、胸の中を行ったり来たりした。息子は家にみかんがあることを知っているので、やたらと「みかん、たべる、みかん」と、みかんを要求。「いっこちょーだい(人差し指を立てながら)」、食べ終わると「はんぶん、ちょーだい」。もうだめだと断ると、「いちご、たべる」「いんご(りんご)、むいて」。終わりが見えない果物連鎖を断ち切るべく、お昼は、土鍋で作ったおじやをどーんと出すと、「わああ」と感嘆の声を上げた。フフフ、どうだい、息子よ、と腰に左手を当て、右手でお玉を回してみたが、息子は全く見ていなかった。朝は泣いていたから、朝食をほとんど食べていなかった息子である。お腹が空いているのである。大根の葉、水菜、小女子いっぱい、イワシの煮干し粉入りのおじや。息子の好みど真ん中のメニュー。「おいしー、ごふぁん(ごはん)おいしー」「じょうずー、ままー、じょうずねー、ごふぁん」と、どんどん食べた。数時間前の息子とは別人である。ごめんね…という気持ちがふわっと目の前を覆いそうになった。ううう。「だっこー!」と、いつもとは逆に私から息子に抱っこを要求すると、少し考えてから、立ち上がり、私の首に腕を回して「だっこ」してくれた。

一応インフルンザだし、外へも行けないから、やたらと時間を持て余した一日だった。息子は、お昼寝のタイミングも逃してしまい、早めに夕飯を食べ、入浴し、19時半には眠ってしまった。夫は仕事で、まだ帰ってこない。息子と一緒に私も寝てしまえばいいのだが、どうも眠れないのである。あ、そうそう。登園禁止で連日べったりの私と息子が2人だけに通用する言葉を作りました。それは「おぱちゅー」。「おっぱい、ちゅーちゅー」の略で「おぱちゅー」。「ままー、おぱちゅー」と言いに来る息子のかわいさったら…(親バカでスミマセン)。
少しずつではあるけれど、自分の言葉で、自分の気持ちを表すことができるようになってきた息子。それでも、自分の内側で起きていることを言葉にするのは難しい。大人だって難しいもの。乳児はつらいよ。早く自分の意志で何でも決断できるようにおなり。それまでは、君の顔をじっくり見ながら、とうちゃんとかあちゃんが、あれこれ決断していこう。でも、まだしばらくは「おぱちゅー」で、あつあつしようではないか。

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