2015年7月21日火曜日

1才

息子が1才になった。そのお祝いもかねて、彼が生まれた(私の実家がある)福島へ、家族3人で出かけて行った。「旅は子どもをぐーんと成長させますよ」と、先日、家族旅行に行ってきたRちゃんのお母さんに予言された通り、息子はこの2泊3日の旅行で、ぐーんと成長した。

お誕生日当日には、仙台の八木山動物公園に行った。ここは、甥っ子1才のお誕生日にも行った場所で、私や妹も幼少期、何度となく連れて行ってもらった動物園である。動物園の簡易的なベビーカーを借り、サングラスにパナマ帽、トラ柄のタンクトップの息子を乗せた。「あ!あの赤ちゃん、サングラスしてる!」と、すれ違う人々の注目を集める息子。サングラスしていると、笑っているのか、泣きそうなのか、もしかしたら眠っているのか、あまりよくわからない。目の表情って大事なんだなぁ、と、炎天下、ぼんやりしてしまう私。夫は、全ての荷物を持たされ、10才くらい年をとったようなシワシワの顔でベビーカーを押している。さらに、じいじにばあば、妹や甥っ子とはぐれ、園(山)をさまよう親子3人… 息子は、ウーウーと独り言を言いながら、私の飲みかけのポカリスエットを右手で握りしめ、時々、ベビー麦茶をストローで飲みつつ、りりしく前を向いている。えらい… それにしても暑い… こんな季節に私は息子を産んだのか。

象やホッキョクグマ、キリンは大きすぎたのか、景色を見ているのと変わらない様子だった。ところが、レッサーパンダに対する息子の反応がすごかった。はじめは、抱っこされてじーっと見ているだけだったのだが、レッサーパンダ3頭(3匹?)が、丸太の上に乗ったり、太くてふさふさシマシマの尻尾をぽんぽん揺らしながら走り回ったりするのを、見ているにつれ、指をさし、アーアーとお話。ずいぶん長い間、見ていたので、そろそろ…と、レッサーパンダの元を去ろうとした時、1頭が丸太と丸太の境目に気高い様子で座り、こちらに視線を合わせてきた。息子、大興奮。「キャーーー!!」と、指をさし、あっちへ戻れという。戻ると、身を乗り出さんばかりにし、大声を上げて、レッサーパンダへ呼びかけ。この時、あまりに汗をかいたため、ばあばが買い与えた「仙台 八木山動物公園 創業昭和四捨年」の文字とレッサーパンダのバックプリントのTシャツを着ていた息子は、ここでも注目度まんてん。「あらあら、あんなTシャツ。仲間だと思っているのかしらね」と、ソフトクリームを食べるご婦人に声をかけられたりしていた。その後も上機嫌で、はじめての動物園を満喫。コーラフロートを食べて復活した夫に肩車され、ニコニコで動物公園を後にした。

帰り道、地方都市にありがちな巨大ショッピングモールの中のビュッフェレストランで食事。ここでも息子は大興奮。「お、おとなのごはんをぼくも食べれるのかー!キエー!!」いつも食べている豆腐でも大喜び。いつの間にかできるようになっていた自力つかまり立ちをしたりして、大張り切り。そんな1日を過ごし、疲れたのだろう、夜には39度を超える発熱。しかし、朝には嘘のように下がり、かぼちゃの素揚げやスイカを食べ、ミニカー(日産マーチ)を走らせ、積み木を積み、甥っ子のフィギュアで熱心に遊んでいた。0才と1才で、ぜんぜん違うもんなんだな。たくましくなったなぁ。

昨夕、福島から戻り、夫と這々の体で、駅からの道を歩いて帰っていたら、息子が熱い。またしても39度の発熱。ぐったりと目を閉じている。熱中症ではないかと夫が言う。とりあえず体を冷やし、水分を与える。食欲はなさそうだったけれど、食べれそうなものを少しずつ食べて、あっという間に眠った。息子が眠った後で、この3日間の写真と、1年前の写真を見た。胸がジーンとした。生まれたばかりの宇宙人みたいな息子は、この1年で、人間らしく体に肉がつき、骨が伸び、情緒もだいぶ安定し、感情が動き、1才になった。すごいなぁ。1年前の今頃、正直、きつかった。誰もがやすやすと大きくなったわけではない。そのことを思い知った。1年前の私に今の状態を教えてあげたい。いや、教えない方がいいかな。苦しみなさい、悩みなさい。果たして、1年後の自分もそう思うだろうか。
誰もが子どもを持てばいいと私は思わない。でも、私に関して言えば、子どもを持てたことは幸運だった。息子がいない生活。そんなことを想像できないほどまでに、息子は存在感満点。いっぱしの人間として、泣いたり笑ったり食べたりうんちしたりして、今日も生きている。

咳がひどい息子の隣で、ちいさくなった服を段ボールにまとめた。捨てる気にはなかなかなれないけれど、整理していかなければ。代わりに、甥っ子からのお下がり箱から、まだ大きいと思っていたTシャツやズボンを出し、洗濯をした。今、目の前で、風に吹かれ、大きく揺れている。ひとところにとどまらず、大きくおなりなさい。すこーしだけ、さみしいような気持ちで、汗でべたべたの息子の頭を撫でてみる。どこまでも広がる青い空。夏本番。だるまにぐるっと目を入れたような、そんな気分。

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