2015年5月21日木曜日

雷雨

昨晩、ふと目覚めて、頭を上へぐいと向け、窓を見た。カーテンの隙間から、ぴかっと雷。遅れて雷鳴がやってきた。気がつかなかったけれど、大雨のようだった。雷が雨を引きずり出してきたみたい。息子の頭を左腕で抱えながら、目をつむる。まぶたの裏に、長い長い細い細いチューブ状の雨。

昨日今日と、私は仕事を休んだ。一昨日は早退した。息子の風邪がうつっては治り、うつっては治り、を、ここ1ヶ月ほど繰り返してきたのだが、ついに声が出なくなったのである。声が出なくなると、いつもは外へ出て行く言葉が、どんどん内に溜まっていくような感じがする(内、というより腹?)。いつもより唾を飲み込む回数が減って、溜まった言葉が出てこないよう、のどの入り口の扉が閉まっているみたい。溜まった言葉は、ふわふわと玉になって、鎖骨の下あたりに向けて、何かのきっかけで拡散する。そして、いろいろなことを思い出したり、考えたり、こんなふうに書いたり。私はおしゃべりなので、黙っていると苦しそうに思われるけれど、そんなことはちっともないのである。けっこう楽しんでいるのである。ただ、同僚やお客さまにうつしては大変だし、欠勤した。子どもの風邪菌の威力、すさまじ。

息子は声の出ない母に少々、戸惑っている様子。今日は、かすれ声が出てきたけれど、ものすごくだるくて、一日中、寝ていた。開けた窓から、さわやかな風。仕事が休みの夫は、隣の部屋で、書き物をしている。眠れば眠るほど、だるさが増大していくようだ。2日も休んだのに、あまり良くなっていない。仮病と思われるかなー。夫に頼んで、職場に電話をしてもらう。「いつもお世話になっておりますー」と話す夫の隣に座って、「あー、子どもじゃないんだから、自分で連絡すればよかった…」と思う。どうかしてる。体調が悪い私は、いつもより、どうかしている、

よろよろと立ち上がって、夕飯の支度。冷蔵庫にあるものを、ジロリと目に入れ考えた結果、鶏団子春雨スープを作った。冷蔵庫に入れておいた小鍋に、煮干出汁。くすんだ金色に、春雨。昨日の雷鳴を、鼓膜の上に蘇らせて。

ふらつく私に代わって、夫が息子のお迎えに出かけて行った。思わぬお父さんの登場に、息子は喜ぶだろう。昨日、ベランダに夫の姿を見つけた息子は、声をあげて笑った。そろそろ、帰ってくるかな。みんなで雷スープを腹に入れて、今夜は早く眠ろう。

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