2015年4月29日水曜日

私は職業婦人

月曜日から復職した。デパートでの接客である。8時に息子を保育園に送っていき、その足で、駅まで歩いて20分。いい時間帯、いい天気、いい季節。細い坂道を下り、ぶちあたる大きな公園を横切る。アルゼンチンから届いたばかりのLos Grillos del Monteを聴きながら、軽い足取り。今日から私は職業婦人。

11ヶ月ぶりの職場は何の新鮮味もなかった。昨日、遅番だったよ、というような感じ。ただ、実際に働いてみると、意外と楽しい。ずっと笑顔で接客できた。お客様がどんなに理不尽なことを言おうと「ああ、ちゃんと言葉で要望を言ってくれるんだー(普段は赤ちゃんの泣きの原因を探ってますからね)」「この人もおっぱい吸ってたんだろうなぁ。それなのに、こんなことを言えるくらい成長しちゃって…」など、すっかり、お母さん目線。それから、しばらくお客さんの立場でいたので、自分がこうしてほしいと思える接客を念頭に動くことができた。時短勤務で6時間勤務なので、気持ちにも余裕がある。いい。今のところ、今のところ。

隣のショップに、クールな(美人だけど感じが悪い)店員さんがいた。挨拶しても、馬鹿にしてんの?と言いたくなるような、投げやりな会釈。火曜日。彼女が私に近づいてきて「ずいぶん早く復帰されたんですね」。あれ?え、笑顔?ど、どうしました?「私も娘を保育園に預けて、時短勤務なんですよ」えーそうなんですか!と、一気に打ち解けた。娘さんは5才。保育園のあれこれをおしゃべり。「がんばりましょうね!」と彼女はガッツポーズをキメて、自分のショップへ戻って行った。笑うと、人懐っこい子供みたいな笑顔になる。きっと、娘さんも可愛いだろうよ。同じ境遇の私が現れて、嬉しく思ってくれたのかな。面白いなぁ。こんなこともあるんだ。

6時間勤務だし、土日祝日は休み。実際のところ、必要性がない人員である。なので、出産前とは意識を変えて、雰囲気担当、お店のファンを増やす(お客様にもデパート内の人たちにも)ことに徹することにした。私はもともとお店の女の子の中では最年長。どしっと、にこにこしていることに決めた。

「週末に何かありましたか?」と、保育士さんたちに笑って聞かれるくらい、私が働いている間、息子はごきげんで過ごしていたらしい。笑ったり、お話ししたり。私がお迎えに行った時も、同じクラスのKちゃんにグリーンの皿のようなものを差し出しながら「まんまー、んまー」と話しかけていた。私に全く気がつかない。Kちゃんの視線をたどって私に気がつくと、ぴたっと動きが止まり、ぱあっと笑った。

正直、家に帰ってから、空腹で眠い息子をあやしながら食事の用意をするのは、そりゃー大変。おんぶしたら寝ちゃうし。泣きすぎると、ごはん食べないし。ごはん食べたら寝ちゃって、風呂入れるのも一苦労。でも、なんか、だいじょうぶなような気がする。やっていけそうな気がする。根拠はないけど。今のところ、今のところ。

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