2015年3月24日火曜日

おさがり

息子のお洋服の9割は、彼の従兄弟のおさがりである。私の妹が、どうしても捨てることができず、今まできれいに保管してきたものだ。先日、実家に帰った時に、妹と二人がかりで大量の衣服から選び、ダンボール一箱分もらってきた。帽子、靴、肌着、ロンパース、Tシャツ、シャツ、ズボン、水着などなど。
一枚一枚、甥っ子の思い出が詰まったお洋服。「あーこれ着せて、初めて動物園行ったなぁ」とか「これ気に入って、よく着てたなぁ」とか、妹はしみじみ眺めていた。その横で、間もなく小学校に入学する甥っ子は、仮面ライダー・マッハ?のおもちゃで遊んでいた。

甥っ子が生まれる時、私も妹の出産に立ち会った。陣痛の妹の横で、のんきにクロスワードをやっていたら、あれよあれよと立ち会うことになってしまったのである。初めて見る生まれたての赤ん坊は、あまりにかわいくて、出産翌日の夜には産院に泊まったほどだ。甥っ子と別れて、東京に帰る時には、新幹線の中で泣いた。そんなことは後にも先にもこの時だけである。
自分の子のように思って甥っ子を見つめてきたつもりだが、彼の赤ちゃん時代を、今となっては、あまり思い出せない。一緒に暮らしていないこともあるが、言葉を話し始めてからの甥っ子の印象が強いのだ。2才の時、初めて降り立った渋谷で「ここが都会ですか…目が回ります」と言ったことや、「ようかんと渋いお茶をください」と言ったこと。彼は幼稚園に上がるまで、話し言葉が敬語だった。
7年間は、あっという間だった。甥っ子はいまや、バタフライで25m泳ぎ、自転車を乗り回し、お気に入りの女の子にラブレターを渡し、ばあばやママにこっそりティアラを買ってプレゼントし、ピアノでイッツアスモールワールドを弾き、男の子として十分な成長を遂げている。好きな食べ物は寿司とりんご。将来は大工さんになって、ママにお家とカフェを建ててやり、そのカフェでも働くらしい。カフェって…

今、息子は、ジェームス・ブラウンのライヴ盤を聴いてノリノリである。にいに(甥っ子)のお洋服を着て、ごきげん。座ってグングンやっていたところを、夫に抱かれリズムに乗せられて、声を上げて笑っている。
かつての甥っ子を包んだ服。妹が自分の息子のために買い揃えた服。今は息子を護ってくれる服。「初めての子におさがりって嫌じゃない?私はまた着てもらえて、ものすごくありがたいと思ってる」と妹。こちらこそ、ありがたいと思っているよ。

息子と甥っ子は6才差。甥っ子は今、誰よりも(ママが一番だろうけど)私の息子が好きだそうである。いつか二人で旅に出てみないか。男の子っていいなぁ。

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