2015年2月18日水曜日

ポール

散歩の途中で見つけた肉屋さん。その名はポール。これまで肉は、何も考えずにマーケットで買っていたけれど、最近はポールで買う。値段もマーケットとそんなに変わらないし、何より新鮮、お肉の色が全然違うのである。そして、私はここのご主人が好きなのである。紺の縦縞の厚い生地のエプロンをして、白髪交じりの短髪に眼鏡。年は、60代初めくらいだろうか。いつも笑顔で、さらっとしていて、気持ちがいい接客。手書きの値札も、コメントが一言添えられていて、気が利いている。そして、手作りのお惣菜がとても美味しい。コロッケ70円。その場で揚げてくれる。ふつう、揚げ物は時間が経つとしんなりしてしまうことが多いが、ポールのはずっとカラッとしていて、冷めても美味しい。どうしてなのか、揚げているところをじーっと見てみたが、分からない。「他はいいかい?」と聞かれ、つい「じゃあ、串カツも」とか「ささみかつ、ください」と言ってしまう。クリスマスに注文して食べたフライドチキンは忘れられない。今年も絶対注文だ。

私はプロフェッショナルが好き。ポールのご主人は肉屋さんのプロだ。自分の仕事に誇りと自信を持っているのが、売っているものを見れば分かる。ショーケースは整然として、お店は古いけれど、奥の方まで清潔。夫は、ポールで使われている年季の入った古いコインカウンターが好きだと言っている。
先日、牛こま200gを頼んだら、「200gにちょっと足りないから、隣の(隣に並んでいた)すき焼き用足しときます。値段は牛こまのでいいからね〜」と、おまけして包んでくださった。家に帰って、包みを開けて、きれいにたたまれたお肉のうつくしさ(と言うのもヘンな気がするけれど)に、しばらくじいっと見つめてしまった。私が牛なら、ポールで売られたい。
ポールの牛肉は、いろいろなスパイスと赤ワインを使って、玉ねぎやセロリ、じゃがいもと一緒に煮込んで食べた。レシピなんてない。五感をフルで発動させて、料理する。昼から準備して、時どき味見し、塩やら水やら加えたりして。夜がきて、ついに実食。お肉の滋味が、やさしくじんわり広がって、美味しかった。大事に売られていたお肉は、だいじに調理し、美味しく食べたい。

私も何かのプロになりたかったけれど、何にもなれずに今日まできた。だからプロフェッショナルへの憧れは強い。仕事だって、できるだけ「プロフェッショナル」を目指そうとするけれど、なかなか難しい。(育児に関してだけは、プロフェッショナルを目指さないようにしているけれども。)

プロには、べたべたと馴れ馴れしくできない。礼儀正しく、にこやかに「いいお客さん」であるよう、こちらもぴしっとしなくっちゃ。とりあえず、お天気が良くなったら、ずっと気になっている、ポールの手作り焼き豚を買いに行こう。

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