2015年2月28日土曜日

ゲリラ豪雨と念力

火曜日の夕方、いつものように息子をおんぶして夕食の準備をしていた。重くなったなぁ。ものすごく腰が、膝が、あらゆる関節が痛い。息子とごはんを食べながら、今日は寒いねえ、と石油ストーブを点ける。さ、寒い。ていうか、震えが止まらないんですけど。おかしい。インフルエンザの症状そのものじゃない? 体温は37度。いやいや、これは上がるぞ。大急ぎで食器を洗い、夫のごはんを炊く。もう倒れそう… しかし、うぬぬ、と踏ん張る。マスクを2枚重ねにし、お風呂にためていたお湯を止め、息子の顔を拭き着替えさせ、19時、布団に入る。ガタガタと震えながら、顔を息子から背け(うつさないため)、横になりながら、おっぱいをやる。息子はいつもと違う私の様子に、何度も私の顔を覗き込んだり、マスクを外そうとしたり、服を引っ張ったりして、なかなか寝ない。仕事中の夫にメールをしたら、早退して帰ってきてくれた。21時。私の体温は39度6分。起こされて大泣きする息子にミルクを飲ませ、あたたかい上着を着せる。私は額に息子用に買っておいた子供用の冷えピタを貼った。車で20分程の距離にある、医大の夜間救急センターへ、家族総出で向かう。

夜間救急センター、初めて来たよ。マスクをかけた男性事務員が5人ほど。その受付の前に、どんよりと肩を寄せ合う人々、パジャマ姿裸足の3歳くらいの女の子を抱いた若い母親、眉間に大きなガーゼを当てた小学生男子、どこが悪いのか分からない位いちゃついている30代カップル(女性の方が診察に呼ばれた)、大きな体の中年男性を車椅子に乗せた40代くらいの女性。名前を呼ばれ、まず看護師さんから話を聞かれる。「トリアージ」、診察の優先順位をはかるためでもあるらしい。体温は38度9分。車を降りる時に、夫から手渡されたポカリスウェットをどんどん飲んでトイレに行っていたら、まず、ここまで下がった。それから1時間半待つ。「熱下がれ、私はインフルエンザではない、熱下がれ」と、ひたすら念じて待つ。その間に熱は37度4分まで下がってしまった。すごいぞ、私。母は強し。でも、妙に心細くなって、息子に会いたくなってきた。警備員さんのいる入り口を出て、夫に電話。息子の大泣きしている声が聞こえる。「どうしたって泣き止まないんだよ」。夫の声を聞きながら、息をそっと吐くと、暗がりに、あ、白い。そうしているうちに、息子の泣き声が止んだ。「あ、お母さんの声が聞こえたら、泣き止んだね」。実際は、すぐそこに二人はいるのに、たったひとりで、ずいぶん遠くまで来てしまったような気持ち。夜って、こんなに暗かったんだなぁ。

私を診てくださったのは、ネイビーのスタンスミスを履く若い男性医師。インフルエンザの検査をする。鼻の中にぐいぐい入れられる例のやつ。終わった後、そっと肘より上のあたりに手を添えて「がんばりましたね」と言われた。なんだか照れる。結局、インフルエンザは陰性。一気に悪寒がきて発熱した原因は不明。「何らかのウィルスだとは思いますが…」。ヘイ、ドクター・スタンスミスよ、いったい何のウィルスだろうね。
息子と夫は3時間近く、車の中で待っていてくれた。ありがとう、ご苦労さまです、お母さんは無事であります。午前0時半、家に着いて体温を測ると、37度1分。何だったのかね。

翌々日である昨日、頭痛が引かないので、近所の内科へ行ってみた。念のため、と受けた、インフルエンザ検査はやっぱり陰性。乳腺炎でもない、喉も腫れてない、腎盂炎でもない。「様子をみましょう」。そうですか、そうですよね。

今日も熱は出なかった。ただ、ものすごく肩が凝っている。最近、息子がかなり重くなってきたからかな。頭痛はそのせいもあるのかしらん。食欲はあるけど、パワーがない。でも、息子の前では、そうも言っていられないのだ。午後、息子を連れて駅前まで出かけて行き、自分を勇気づけようと、安い口紅を一本買った。

それにしても、あの凄まじい悪寒は何だったんだろう。ゲリラ豪雨のように、私の体の中を一気に駆け抜けていった。「何らかのウィルス」、念力で撃退したのか、はたまた、いまだ潜伏しているのか。

バス停で見知らぬ老婦人に「今が一番いい時ね。これからが大変よ。若い人は大丈夫だろうけど、体力要るのよね。反抗期、この子はいつ来るのかしら」と言われた。私、今年で39才になります。まだ、若いですかね? 反抗期? 生まれた頃から反抗期です。とにかく、もっと体力要るんだな。ベビーキャリアーで息子を抱っこして、おむつとミルク缶と夕飯の買い物と息子のおむつや着替えが入ったバッグを手に、バスを待ちながら、きもちスクワットしてみた。ウィルスさえ吹き飛ばす、強いおっかさんになりたい。

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