2015年2月14日土曜日

私は一刀斎

2日続けて夫の帰りが午前2時半だった。
初日は深夜バスで帰宅。晩ごはんはいらないと言われていたし、なんとも思わなかった。昨日は19時すぎに「I さんが大阪から来ているので、ちょっと会ってきます」とメールがきた。ちょっと、のつもりが午前2時半。1時に「あれ?まだ帰ってないなー」と、電話をしてみたら、小さな声で「…タクシーで帰っているところです」と言う。おいおい。むしょうに腹が立った。徐々にふつふつとなり、夫が玄関のドアを開けた時には、静かに熱い怒りを湛えて布団の中にいた。気配を薄くして、そろそろと部屋に入ってきて「ごめんね」と言う夫に、一言「おかしいよ」と、くっきり太字の声で言ってやった。しばらくして、夫がしずしずと隣の布団に入った。部屋をひんやりと包むヒヤシンスの清潔な香りはかき消され、かすかに酒臭い… さらに、むおーっと腹が立つ。腹を立てながら、なんで腹が立っているんだ、私は?とフシギに思った。今夜、夫が遅く帰っても、べつに何も不都合はなかったはずなのに。夫が楽しい時間を過ごしてきて何が悪いのか。でも腹が立つ。腹立たしさを分解して、ひとつひとつ検証していたら、脳が活性化してしまい、眠れなくなった。少ない髪の毛に覆われた息子の温かい頭に鼻をつけながら、明日の朝、この件については何も言うまい、と決意して、固く目を閉じた。

朝。7時に夫が息子につられて起床。まだ眠いくせに… と思いながら、黙っている。ひとしきり息子と遊んだ後で夫が「昨日は…」ときたので、「腹が立つから何も聞かない」と目も合わさずに言った。はい、そこまで。こういうことは、だらだらと怒っていても仕方ないのである。大体、腹を立てる理由がはっきりしない。女の、こういう側面。もう38才だし、男の子を育てる母として、バッサリ切り捨てていきたい。竹林で刀をふるい、どりゃースパッと斜めに竹を切るイメージで。

私が息子にミルクを与えている間、夫は紅茶を淹れ、卵を焼きハムとレタスとチーズをのせてトーストを用意してくれた。自分は、昨晩、私が用意しておいた「ゆず香るれんこん団子の豚汁」(マーケットでもらった全農の冊子に載っていたレシピ)をもりもり食べていた。「美味しいか?」と訊けば、正座して器を左手で礼儀正しく持ったまま「美味しいです。いつもありがとう」答えた。こちらこそ、いつも、すみません。いや、ここは、ありがとうと言わなくちゃ。

今日はバレンタインデー。「何も要りません」と言っていたけれど、行事には積極的にのっていこうじゃないか。そういえば、初めてのバレンタインデー(3年前)には、ホットチョコレートを作ってあげたなぁ。懐かしい。いまや私たちは「男と女」から、「男とおっかさん(夫のお母さんという意味ではない)」になってしまった…… いかん、いかん。あの頃の初々しさを忘れずに、一緒に美味しいチョコレートを食べよう。

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