2014年12月20日土曜日

おしゃれ

子どもが生まれてから、おしゃれとは無縁だ。もさもさの頭にヘアバンドを巻き、ジーンズかグレーのコーデュロイのパンツに、黒とか紺とかのタートルネックやセーターを着る。ほぼ毎日変わらない。息子に頬ずりできなくなるので、お化粧はしない。引っ張られると悲惨なので、ピアスもしない。そんな私の様子を見て、夫がお洋服でも買いに行ったら、と勧めてくれた。それから、NHKで放送されたコンゴのおしゃれ紳士「サプール」についての番組を、「一緒に観ようよ」と録画しておいてくれた(まだ観れていないけれど)。

最寄りの駅は高級マンションが多く立ち並ぶ場所の近くにあるため、ハイソな奥様方が多い。ベビーカーを押すお母さんの髪はきれいに巻かれ、うつくしく整えられている。そばかすだらけの顔でニットキャップをかぶり、スニーカーでがしがし歩く私の横を、流行の服に身を包んだママ友の集団が追い抜いていく。オープンカフェには赤ちゃん連れのお母さんたち。すごい。その余裕。見習いたいっす。私は眠る息子を抱っこしながら、たい焼きや肉まんを立ち食いするのが精いっぱい(だけどうまいんだ、これが)。

わー素敵なお洋服、などと歩く人を見ている私はまるで14歳の頃のよう。ある部分、少女還りしている自分に気づく。少女時代と違うのは、お洋服、本、音楽、写真、絵画、場所、演劇、映画etc… 好きなものから距離を置いているところかもしれない。人の手で作られた魅力的なものには出来るだけ目をやらないようにしているのだ。コンプレックスか、ひがみか、はたまたやっかみか?うーん、どれも違う。心を強く揺さぶられないようにしているだけなのかも。私は耽溺しやすいし、何かに強く惹かれたらどこへだって行ってしまうもの。そんなものが今、あるとしてだけど。もちろん、息子がいるせいで、なんてことは全く思わない。彼がいない生活を私はもう想像することができない。

ついに昨日、セーターを買った。赤いのと紫と、グレーに黒のボーダー。セール品でとても安かった。息子が眠っている隙にバタバタとお買い物。もう何を買っているのか、よく分からない状態ではあった。それでもやはり心は弾む。会計を済ますと、息子は途端に泣き出した。いそいそ帰って、息子の前で着替えて見せる。「お母さん、似合うかな」息子はキョトンとして、しかし、私が嬉しそうだからだろうか、にっこり笑った。

20代で似合っていた服が30を過ぎた頃から似合わなくなって、これから私はどんな服装が似合うようになっていくのだろう。「おまえんとこの母ちゃん、ださー」と息子が言われないようにだけはしたいものである。

0 件のコメント:

コメントを投稿